2004年2月　八ヶ岳・阿弥陀岳南稜(1/2)

●２/２１
絶好の天気の中、林道を歩き始める。１時間弱歩いた所で旭小屋に到着。
綾ちゃんを待ちつつ、休憩。数分後、綾ちゃん到着と共に第一声、"もう今日ダメか
もしれない、歩けない・・・"
エーッッッ!?まだ平地の林道1時間しか歩いてないんだけど・・・
でもあまりにも悲痛な表情をするので、早速中村さんと私とで綾ちゃんの共同装備を
分担する。
日差し強く、中村さんがいつもの白い液体・・・を塗り出した。ちょっとドキドキ。
ちらっち顔を見てみると、ホッ・・・今日は白く残ってないゾ。ヨカッタ、ヨカッ
タ。
小屋を過ぎ南稜に取り付く。所々地面が見えるほど雪が少ない・・・
登山道沿いに"きのこ山にて入山禁止"の看板がうるさい。２２００ｍも過ぎるとそれ
なりに積雪量が増えてきた。綾ちゃんを先頭に超綾ペースで進む。今日はどこまで行
けるかな〜?と思っていたが、大所帯の先行パーティのラッセルもあり、無名峰手前
付近まで進むことが出来た。この辺りテント場適地はたくさんあるが、強風対策で樹
林帯にちょっと突っ込んでテントを張った。ここからは、阿弥陀岳がとても近くに見
える。
阿弥陀も赤岳も雪が少なく岩肌が黒々としている。赤岳・天狗尾根がスカイライン上
にギザギザとかっこいい。
今日の夕飯はおでん。塩加減がちょうど良く出来てとてもおいしい!
だけど一度凍ったこんにゃくってなんとも言えない食感・・・とてもおいしいとは言
い難い・・・。
今晩は無風で満天の星空の下、安心して眠りに落ちた。

●２/２２
３時４５分起床。上空で風の音がしている。
今日は、ここから阿弥陀をピストンの予定。先行パーティは、昨日どこまで行ったの
かなと思ったら
P１手前のコルに張っていた。ほぼ出発時間は同じだった様ですぐ追いついた。
当然P３のルンゼで順番待ち。風の冷たい中、岩陰で待ち続ける。登攀準備をしよう
とザックを開けると、
ここでけろ、大失態!!ほとんどのガチャをテントに忘れてきてしまった・・・最低限
必要なピナを借りる。
すっかり体が冷え切って震え始めた頃、やっと順番が来た。
ルンゼ内は、フィックスロープが張られている。凍っていてカリカリ。アイゼンを効
かして登る。
ふくらはぎにくる、久しぶりのこの感じ。ビレイ点には、しっかりしたボルトがちゃ
んと打ってある。
天気も怪しいので今回は、ここから懸垂で下りる事に。
中村さん、綾ちゃんを見送り、ビナ懸垂を試みる。
遭対の時しかやった事無く、本ちゃんでは初めてだったが案外スムーズに降りる事が
出来た。
テントに戻り片付けをしていると、綾ちゃんポツリと
"雪山でザイルを使うって事がわかった、楽しかった〜"と言う。
今回、綾ちゃんにとって登りで疲れただけの山行にならなくて良かったと思う。