八甲田・山スキー

4/27(日)：東京（東北新幹線はやて）八戸（特急つがる）青森（JRバス）酸ヶ湯温泉
4/28(月)：酸ヶ湯温泉−八甲田ロープウェイ−赤倉岳−高田大岳−谷地温泉−酸ヶ湯温泉
4/29(火)：酸ヶ湯温泉−睡蓮沼−櫛が峰−睡蓮沼−酸ヶ湯温泉
4/30(水)：酸ヶ湯温泉（JRバス）青森（特急つがる）八戸（東北新幹線はやて）東京

▲報告：藤田 (4/27,28)
今年のGWは、4/27〜5/1の予定で企画後数年越しの八甲田山スキー行となった。
メンツを募ったところ、北嶋氏と私の二人となったため、新幹線で行くことにし
た。東京駅を発車し、ポケットに入れておいた安部公房の「砂の女」を読み始め
る。東北新幹線はやて号は快適である。やがて主人公のように砂穴に陥るように
意識も遠のく。本はポトリと床に落ちる。
東京から４時間ほどで青森駅に到着した。早速、今宵の酒と肴を市場で仕入れる。
駅からバスで１時間ほど山を登っていくと、八甲田山の登山ベースとなる酸ヶ湯
温泉旅館に到着である。私たち二人は旅館には入らず、横の駐車場の更に奥にあ
る雪原にテントを張った。車でやって来た人達は豪華な仕様でキャンプを楽しん
でいるようだ。私たち電車組はちょっと寂しい。
翌日は天気も良く、朝一番のバスで八甲田ロープウェイ駅に向かう。今日の目的
地は、赤倉岳〜高田大岳経由で谷地温泉に下る予定だ。バス、ロープウェイの中
は中高年山スキーヤーの方達で一杯だった。山スキーの世界も段々先細りかと少
し寂しくなる。９時１０分頃山頂駅を出発し、シールを利かせながら赤倉岳を目
指す。人が多く、スキーを背負ってからは少々の渋滞である。赤倉岳山頂付近は
だいぶ雪が消えていた。春霞で遠方は視界が利かない。赤倉岳の火口壁をへつる
ように付いた登山道を先へ進むと、やがてきれいな円錐形をした高田大岳をバッ
クに控えた大斜面が現れる。小休止の後、１０時５０分頃スキーを付け、いざ滑
降と行くがあっという間に小岳との鞍部に着いてしまう。ここからシールを付け
て長い登りになる。登る前に確認しておいた高田大岳頂上付近の夏道も、近づく
につれて見失ってしまう。やがて傾斜がきつくなりスキーを外して登るが、股の
付け根まで埋まり体力を消耗する。這い松を少々こぎながら何とか夏道を見つけ
た。１３時４５分頃高田大岳頂上に到着。大休止の後いよいよ本日のハイライト
高田大岳南東斜面の大滑降である。夏道を少々下り、踏み跡の付いた這い松帯を
左に入る。すぐに狭いが急な雪面が現れる。２５度位はありそうだ。１００メー
トル程先で傾斜は更にきつくなっている。狭いところは慎重に、広くなったとこ
ろで気持ち良くと思ったところで視界に異様な物が飛び込んでくる。遙か眼下に
泥混じりのデブリが大量に溜まっている。足下近くからは全く雪がない。全層雪
崩である。幅１００メートル、長さ４〜５００メートルに渡って雪が剥ぎ取られ、
１０メートル程の雪壁の底には笹原が出ていた。仕方なく雪の残った斜面をトラ
バースし、木立の中へと入っていく。だんだんと木々の密度が濃くなり、滑るの
に苦労するが、やがて谷地温泉の青い屋根が見えてくる。建物直近まで滑り、１
５時４５分頃本日のスキー行は終了となる。振り返ると、山の中腹にはざっくり
と雪の抜けた黒い斜面が見えていた。最終のバスに乗ってテン場まで戻り、酸ヶ
湯温泉で今日の疲れを流した。ここの千人風呂はいい湯である。目に染みる、心
にもしみる湯だ。

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▲報告：北嶋 (4/29,30)
コースタイム
　4/29(火)：9:40睡蓮沼−11:00ニセ駒−12:35櫛が峰13:15−14:55睡蓮沼

４／２９
今日は南八甲田のスキーツアーである。
６時には自然と目が覚めるが、ＪＲバスが９時台までないのでのんびり準備をする。
  酸ヶ湯温泉からバスで睡蓮沼まで移動。スキーを持っていたのは我々だけだった。
睡蓮沼からシールを着けて歩き出す。ニセ駒まではかったるい登り。
トレースがあるものの、北八甲田と違って南八甲田は人が少なく静かで落ち着く。
駒ヶ峰山頂に到着すると先客があり、昨日高田大岳で出会った２人組であった。
彼らはここから睡蓮沼まで滑降するとのこと。
その頃、藤田は駒ヶ峰の右をトラバースして櫛が峰を目指していた。
結果的にはトラバースしたほうが２０分早く、駒ヶ峰から滑降できるがやせ尾根で、
快適ではないので、トラバースが良いだろう。
ここまで登ってくると櫛が峰の大斜面が見えくる。中央部にクラックが入っているが
そこをさければ頂上からの大滑降が可能である。
はやる気持ちを抑えて、櫛が峰への最後の急斜面をシールを効かせて登る。
山頂で呼吸を整えて滑降開始、各自シュプールを刻んで大斜面を無事滑降。
ここで緊張が切れたのか、藤田が足の不調を訴えたため、猿倉温泉への滑降を
中止して睡蓮沼へ戻ることにした。
ニセ駒から睡蓮沼への樹林帯滑降は、程度な斜度があり快適であった。

４／３０
足の具合と天候から判断して１日繰り上げて下山する事とした。
テントを撤収してみると、周辺との段差が２０ｃｍになっており、
雪解けの早さを実感した瞬間であった。
青森駅では電車との連絡に時間があったので、市場食堂で新鮮な魚貝類を
食べて帰路についた。

感想：行動範囲を考慮すると車の方が効率がよい。