2003年7月　東沢・釜ノ沢・東俣(1/2)

　曇天の中、早朝５時に自宅を出発。途中で中村・小森をひろい６時に原岡４WD
車に乗り換え大磯の大西宅へ、７時前に全員が揃い一路塩山経由東沢へと向かう。
公共駐車場で支度をして出発。すでに１０時を過ぎていた。３連休の中日というこ
ともあり西沢渓谷探勝の多くのハイカーが歩いていた、その中をぬうようにして先
を急ぐ。つり橋を渡り、東沢入山禁止の看板の横からハイキング道を離れ東沢へ降
り立つ。幾度か入渓した鶏冠谷を右に見てまもなく登山道に入る。２時間程で山の
神を通過し再び東沢の河原歩きとなり、時折両岸に現れる雄大な滑滝に驚きの声を
上げ、広い河原を歩き続けた。午後２時に長く単調だった歩きがようやく終わり、
ようやく釜の沢出合いに着く。

ここまでとても長かった。美味しい料理に長時間お預け食ったようだった。
通常の山登りではそろそろ終盤戦の時間だが今日はこれからが本番である。
多少のあせりを感じながら魚留めの滝左壁を巻き気味に登る。流れに戻るとそこは
本山行のメインディシュの千畳の滑滝である。覆い尽くさんばかりの緑と足首をさ
らさらと撫でるような流れをそれぞれが気ままに歩き楽しむ。
残念ながら楽しい時間は長く続かず滝の轟音と共に終わりを告げ８Mスラブ滝が現れる。

これを越えるとゴーロ帯となる。そろそろ泊まり場を探そうという意見もあった
が無視され、先を急いだ。このあたりから小降りだった雨が大粒となり心を暗くして
きた。迫力満点の両門と滝を右から巻くとすぐにヤゲンの滝と迷い沢の二股に着く、
右岸には２人組がテントを張り終え、焚火の準備をしていた。ヤゲンの滝の右側を
中村リードでザイルを張り通過する。
その上の６M滝は原岡持参のお助けロープを使い難なく抜ける。ようやく今日の仕事の
大部分は終わり、後は泊まり場を探すことに専念することだけだった。

絶好な泊まり場がすぐに左岸に現れ迷うことなく即決定。
時は既に４時をまわっていた。すばやくテント・タープを張り、全員がマキを集めに
走るが絶好の雰囲気の泊まり場が災いしてか多くのパーティが泊まるらしくテン場周
囲のマキは枯渇しており上下流、両岸の斜面に散り、ようやく一晩分のマキを確保す
る。完全に濡れているマキにようやく火がつき焚き火になったら、次はビールで乾杯
である。
その後のことはあまりよく覚えていないが、ビールを沢山飲んだ事は記憶にある。

一晩中雨が降っていたらしいが明け方には止んでいた。８時に出発、荒れたゴーロ帯
を１時間半歩き鉄砲跡と思われるところで小休止。すぐ上に水師の滝があった。幅広
のスラブ滝で乾いていれば快適に登れそうだが今日はＮＧ。安全を優先してザイルを
使用した。

小雨のなか徐々に傾斜を増す荒れたゴーロを甲武信岳の頂きを目指してひたすら登る。
２時間半後ようやく山頂に着く、昨今の百名山ブームの影響なのか２メートル超の立
派な標柱があった。おそらく今まで見た山頂の標柱では一番大きいような気がする。
標柱は立派であったが眺望は全くなし、そこは乳白色の世界が支配していた。
という訳でＦＭＣＣポーズなしの古典的記念撮影し山頂を早々に退去し下山を始める。

近丸新道を１時間程下ったところで休んでいた他のパーティの勧めもあって急遽徳ちゃ
ん新道を下ることにした。普段は歩きやすい道のようだが今日は泥田状態であり歩くこ
とより滑ることが多い道だった。沢音が聞こえてくると山道の傾斜は緩くなりハイキン
グ道に出る。下山後は東沢小屋の展望風呂？で汗を流し今山行は終了。あ〜疲れた。