2003年10月　瑞牆山

●10/24（金）
・グリーンロッジの上の新しい林道を上がり終点に出来ていた2001年の植樹祭
記念の駐車場着。上に広い芝生広場があり水洗の立派なトイレもある。水場は
トイレにあるが”飲料に適さない”と書いてある、けれど沢水を引いてあるよう
なので飲み水に使ってました。駐車場の下には更にグリーンコミュニティ？の
施設を工事中。土日はかなり観光の車が来るので駐車場にテント張ったが、
朝はたたんだ。地元のみやげ売店（巨大しめじやくりたけ、大根白菜など）
も出る。瑞牆山や周囲の岩峰、背後の八ヶ岳や甲斐駒の景色は大変良いので、
ま、観光施設ができればもっと人が来るかも。”みずがきの森”として遊歩道
ができているので、十一面より近い岩峰に色々小川山のようにルートできるかも
しれない。天鳥川右岸の岩場としてＨＰに発表されている場所もある。
（ここ； http://www6.plala.or.jp/chimney/mizugakidake.htm ）
（植樹祭なのに森林を切り開いて、というのはあるけどね。）

●10/25（土）
・十一面岩左岩壁翼ルート(6P)、芹沢、府川
・到着が遅かったのでゆっくり出発。アプローチは以前とは大きく違っていた。
駐車場の上の芝生広場横の遊歩道を登り、右側の沢沿いの踏み跡に入る。
沢水の取水パイプが目印。赤テープの目印も適当にある。途中のナメ滝は
右岸側を高巻くように踏み跡がつき、ガレの左を急登して簡易堰堤？を右に行き
少し登ると、末端壁下の岩小屋につく。ちょっときつめの踏み跡道。
正面壁まではさらにゴロ石の沢を詰め、岩壁が樹林間に見えたら左上すると
春一番取付。奥に微笑み返しの大洞穴ハング。翼ルートはハング横の樹林のクラック。
上にリングボルトやハーケン見える。山口さんが昔、”すげえチムニーがあるぞ”
と言ってたので一度登りたいルートでした。で、チムニー対策でザックは取付に
置いてトップ空身、セカンド小ザックに雨具と食料入れて登ることにした（正解）。
春一番１Ｐとベルジュエール２Ｐを各１パーティずつ登っている。

芹沢トップで１Ｐ目、5.8とありフリーでいけそうだけど／傾斜は垂直に近いし
ピンも多いけど、時間が遅いし岩のロングルート（最近はマルチピッチという？）
は三ッ峠一般以来なんで、A0,A1何でもありで行くことにしてアブミを腰にぶらさげる。
出だし右側から凹角〜クラック沿いにピンを追ってほぼ直上。数ｍ上で傾斜きつく
なるのでちゅうちょするが、ボルトにカラビナかけてA0。岩は白い花崗岩で固いし
ピンもそこそこしっかりしている。A0まじりで岩と木の根をつかみ木のあるテラスへ。
富士山は見えるが風が吹いてきて寒い。
２Ｐ目、テラスから濡れた岩を一段上がると大チムニー基部。想像していたほど
すっきりしたチムニーではないけどなかなか。左右にもクラックやフレークが
あり山賊ルート等と思う。チムニー奥に入ると３〜４ｍ上右にハング気味フレーク
が出て基部のクラックで支点は取れるが、そこまではピン無し。バックアンドニー
でずり上がる。岩はフリクションきくし下は平らな土なので、そうこわくはないが
ザック無しでよかった〜。チムニーが左に狭くなるので、奥のクラックにカムを
決めてジャムしてと思ったら、ちとこわいんでカムつかんでA0。
上は奥や左右にクラック、ホールドあり白い岩でこれは楽しい。おもわずビレイの
ケロちゃんに「ヨセミテだあ〜」とさけぶ。ピンはほとんどなし。最後、左にも
いけそうだったが、直上したらちょっとやなワイドクラック。だがキャメロット４，５
がばっちりきいて安心してテラスに飛び出た。いや〜満足した（A0だけど）。
３Ｐ目、ケロちゃんに「次行く？」と聞いたら「どーぞどーぞ。」だって。
ここは宴会テラスでは無さそうだが、右に岩と木の間を２０ｍほどで奥にそれらしい
浅いチムニーがあるテラス（というか十一面岩の間の木の生えた所）でピッチ切る。
４Ｐ目、奥の左右にクラックのある数ｍのチムニーを見た目ほど苦労せず登り、
右手方向と考えながら凹角状を登る（記憶はっきりせず）。中、大カム類大活躍。
５Ｐ目、ルート図は右手右手といくので右に岩の間をトラバースすると下降支点
のあるテラスに出る。向こうにモアイフェース側面がそびえる。ピッチを切る
には短いので正面の凹角奥のクラックを登ろうとするが難しい。一端無理して
右に回り込むと行けそうだがザイルの流れ悪くなるので、無理して戻り
クラックを苦労してA0まじりで越える。右が正しいのか不明？
６Ｐ目、色々ルートは取れそうだが正面の低いワイドクラックを越えて岩の上
をわたり、チムニー状を上がったら目の前が正面壁とのコルで懸垂支点が
あり終了。ひさびさ「おつかれさんでした。」登りたかったルートで満足。

ベルジュエールのトップが右の正面壁上の半月状クラック（クレセントクラック？）
をきれいにリードしていくのが見える。

下降は正面壁の頭まで歩いてから、経験ある向う側を下降、と思っていたが
もう３時だし頭まではシャクナゲのヤブこぎのようなので、懸垂支点もあるし、
懸垂することにした。支点はコルと次はカラビナ残置してある。
コルから４０ｍで５Ｐ途中の支点へ、次が４５ｍで左岩壁と正面壁（モアイ壁）
の間へ、ここの回収でザイルがなかなか動かずあせる。（私の）体重かけて
やっと１〜２ｍ落ちるのを繰り返してなんとか回収やれやれ。次はモアイ壁下の
木から、微笑み返しのハングを空中懸垂すると、ちょうどザックを置いた所に着地。
ザイルを回収するころにはハングを夕暮れの赤い光が染めていた。
急いで下ると川端、川合組も降りる所、いっしょに下るが途中で暗くなり久々に
ヘッデン出して残業。駐車場着１８時。全ピッチリードにはさすがにトレーニング
不足でした。下降のザイル引きも疲れたけど。

・カム類はフレンズ１セット、キャメロット１セット、エイリアン１セットを
持っていったがエイリアンはほとんど使わなかった。中大のカム、特にキャメロット
４，５番は大助かり。こんなにでかいカム使ったのヨセミテ以来かな。
大チムニー上から右側の壁にいってからどこでも行けそうだが迷う所あり。
・懸垂は段が多いので回収注意。結び目がひっかかったかも。８の字結びのほうが
いいかね。
夜は卓上ガスコンロにキノコ鍋で宴会。うまかったす。

・十一面岩末端壁調和の幻想下部等トップロープ、川合、川端
（むらとんどうぞ）

●10/26（日）
・大面岩北稜山岳会ルート下部２Ｐ、芹沢、府川
・天気は回復して快晴になった。でも昨日疲れたんで今日は軽い所にしよ、
とけろちゃんと話して、今日が本命の川合川端組を見送る。
色々ルートを見て、行ったことの無い大面岩を見学がてら、北稜山岳会ルート
を行ける所まで（戻れる所まで）行って降りよう、という事になった。

仮設のみやげ物屋が７時に開き、けっこう見物の車が来るなかを出発。以前に
カンマンボロン大洞穴ルートには２回来たことがあるが、全く道が違って
しまっている。みやげ物屋のおじさんに聞いてもさっぱり。少し車道を下ると
南沢らしい沢の橋の手前に「瑞牆の森遊歩道」の看板と谷側に車止めとあずまや
がある。ここから遊歩道に入り、一番沢よりの道を歩いて、遊歩道の終わりから
踏み跡に入る。しばらくしたら踏み跡が判然とせず沢に下り、対岸に渡るが道不明。
以前来たときはけっこうしっかりした山道だった記憶あるので、再度沢をわたり
右岸側の斜面を上がっていくと山道に出た。帰りに見ると遊歩道の終わりで
沢よりより上の道に入るようだ。入口に目印もしっかりあった。
青空の下、見え隠れする白い岩峰に向かって枯葉と紅葉の山道をたどる。

カンマンボロンへの分岐（手製の表示あり）を過ぎて行くと、←大面岩という
表示あり。左側（岩側）のふみあとを登るがわかりにくく、濡れた緩い岩場を
いやな泥の溝や枯れ木を使って上へ、更に左へ行き上にすっきりした岩が見える
所を木をつかみ上がると、北稜山岳会ルートの取付で垂直の白い岩壁に見事？
なボルトラダーが上へ続いていた。少し上に飾り？の小さなアブミがかかって
いる。右手には樹林におおわれた岩峰（針峰といえなくもない？）が見え、左手
は藪まじりとなっているが上方に顔面カンテとおぼしきカンテが見える。
このルートが一番すっきりしていそうだ。

荷物は置いて空身で芹沢トップで１Ｐ目、緩い垂直の単純Ａ１だけど、いや〜
ボルト間隔遠いわ。で長い。４０ｍ近い。登りだして回りの木より高くなると
あたりの壁はブッシュもなく真っ白の花崗岩で露出度高い。風は昨日ほどない
ので、快適だけど次第に疲れて休み休み登る。背後には八ヶ岳。ようやっと
支点につくが足場は小さくほとんどハンギングビレイ。けろちゃん苦労しながら
登ってくるが、上から見てもこれは格好いい被写体。
２Ｐ目も同じような長さのＡ１なので、あの間隔ではけろちゃん苦労するだろ、
とトップ変わらず。でもフリー化になってるようで新しいボルトもあるけど、
１Ｐ目はこの長さとホールドの小ささではねえ？かなりキビシそう。

２Ｐ目はあれ？と思うほどボルト間隔が短い。開拓時凸凹コンビでボルト打ち
したのかと思うくらい。傾斜も段々微妙にゆるくなり快適に支点に到着。
左に顔面カンテもはっきりわかる。もう少し登ればテラスと木陰があるが、
懸垂するにはこちらがいいのでピッチを切る。いや良いＡ１です。
けろちゃんも２Ｐ目は楽そうに登ってくる。これまた景色がよい。
写真を撮って下降。取付が丸見えなので下りやすいが緊張する。やはり２Ｐに
切って下りて取付に戻る。２Ｐだけどなかなかでした。いつかは上に登って
いってみたいルート（上はルートファインディングありそうだけど）。
下りは緩い岩場で一度懸垂で下る。あとは良い山道をのんびり、途中のボルダ
に触りながら下る。

どうせむらとん達は遅いだろうと駐車場でテント等ほしながらのんびり待つ。
午後に調和の幻想上部を懸垂する人影が見えた。これは遅くなるなと思ったが
帰ってきたのは他のクライマやボルダラ−（最近エリアとして注目されてる）
が皆下りてからやっと到着。なかなか厳しかったようだ。増富の湯で暖まって
帰路につく。

・観光の人が多くなったけど、アプローチは近くなったんで、また行きたい所。
回りの岩峰もルート開く人いるだろうな。どこか作らない？

・十一面岩末端壁調和の幻想、川合、川端
（むらとんよろしく）