2009年8月　山形県／八久和川

○8/8 藤沢発 === 東京 === 新潟 === 鶴岡 =(バス)= 落合 =(タクシー)= 八久和ダム付近・林道終点 
  --- 幕営地
○8/9 幕営地 --- 二松沢付近下降・渡渉・対岸の踏跡 --- 小沢下降・入渓 --- カクネ沢手前・踏跡 
  --- 入渓 --- 芝倉沢付近・右岸にザックを置き、偵察中に鉄砲水によりザック３つを流される。
  藤田、峯尾は右岸、中村、高地は左岸に分断。ザック１個（中村分）は右岸組が回収した。
○8/10 左岸組が渡渉し、右岸組と合流。沢には入渓せず、台地を進む。 --- 長沢・入渓・本流を進む
  --- 踏跡 ---カクネ沢小屋跡 --- 初日の幕営地
○9/11 幕営地 --- 集落に向かう途中の工事現場の方に車に乗せてもらう === 落合 === 鶴岡 === 藤沢

▼8/8
●天候：曇り時々小雨
●行程：藤沢発 === 東京 10:12(Maxとき317号) === 新潟 12:34 === 14:24 鶴岡 14:52 =(バス)= 落合 
        =(タクシー)= 鱒渕林道・八久和峠経由 === 八久和ダム付近・林道終点 16:45 --- 17:25 幕営地
●報告：
鶴岡の駅前商店ビルは閉鎖（潰れた）されていた。少し離れた商店ビルで肉、野菜を買い込む。
バスで落合で降り、そこからタクシーで八久和川へ向かう。
タクシー運転手の話によると、山形は梅雨明けしていないそうだ。（びっくり）
天気は大体、朝か夕方に小雨で曇りというバターンらしい。こりゃ、雪渓いっぱい残っているぞ・・・。
川の水量は多くなさそうだ。
車の腹を擦りながら鱒渕林道を進み、車の入る終点まで行ってもらう。

降りた途端、アブ攻撃。大きさはハエくらいだが、「痛！」と云ってしまうくらい痛い。
こんなのが、わんさか集ってくる。しかもずっと・・・
メッシュの短パンにしたのは失敗だった。メッシュの上から刺してくる。

少し進むと橋桁の落ちた沢（高安沢）を通る。
原生林の平な道や、笹に覆われた道、断崖のトラバース（気を抜けない）、を通りながら
今夜の幕営地を探す。地形的に平でも樹が多くて幕営に適さなかったり、水溜りだったりで、
どこでも適地という訳ではない。
道の端に適地発見。周囲を偵察してここに幕営決定。
薪は豊富だ。夕食は焚火で焼肉。美味しいが、結構時間がかかる。持って来た金網が大活躍した。

寝る時のテントは虫が入らないよう密封状態。少し暑かった。夜半、雨。
＜以上，報告：中村＞


▼8/9
●天候：曇りのち雨
●行程：４：３０起床……７：１０幕営地発……９：３０フタマツ沢渡渉……１０：３０遡行
開始……１１：３０右岸踏み跡に再び入る……１２：００カクネ小屋跡……１２：２０再び
遡行開始……１３：５０広河原B.P付近着……１４：００増水遭遇……ビバーク
●報告：
起床後、焚き火にて朝食のラーメンを作って食べ、踏み跡をフタマツ沢目指して行
動開始。踏み跡は所々藪に埋もれつつある。予定よりだいぶ早く下降点についた。下降点には
ブナの大木に「二松ココ下る」と印がついていたが、この印も樹皮が埋めつつある。水量は平水で
ある。濁りもなかった。対岸に渡渉し、右岸の踏み跡を行く。しばらくして沢の下降点へ赤テープがついてい
たため、その道標に従い遡行開始する。所々ヘツリ、泳ぎを交えながら突破していく。やがて雲行きが怪しく
なってきた。
右岸上に再び踏み跡を見つけ、そのまま踏み跡を行く。カクネ沢を越えてしばらく行くと、ブナの巨木に囲ま
れたカクネ小屋跡に着いた。快適なB.Pである。まだ時間が早かったため、この先の広河原付近にB.Pを探すこ
とにした。踏み跡を少し行くと沢への下降路があり、再び遡行を開始した。水線を進むとやがて弱い雨が降っ
てきた。この付近は幅５０ｍ程の広河原となっており、水流は緩やかである。雨が少し強くなってきたため、
広河原の終了点付近でB.Pを探すことにした。上流にはゴルジュの入り口が見える。２人づつ手分けしてB.Pを
探すこととし、ザックを右岸の砂地上に置き、私と峯尾君は右岸台地上を、中村君と高地くんが対岸の小沢周
辺を探ることとなった。３０ｍ程斜面を登り、平地と水場を探していると、ゴロゴロと近くで雷鳴が聞こえて
きた。１０分程して適地を見つけ、彼らと合流すべく木々の切れ間から砂地を覗くと私たちがさっきまで立っ
ていた其処は濁流と化していた。対岸には戻れなくなった２人が呆然と立っている。先ほどのゴロゴロ音は、
実は川の中の石が転がる音であった。砂地をよく見ると、ザックが今にも流されようとしている。恐怖を感じ
たが、斜面を降り回収に向かった。すでに残っていたザックは１個のみで３個は流されている。仕方なく台地
上にあがり、右岸は峯と私で、対岸は中と高でそれぞれビバークとなった。夜半降雨があり雨に打たれながら
のビバークとなった。
＜以上，報告：藤田＞

▼8/10
●天候：雨時々曇り
●行程：芝倉沢対岸幕営地7：30発---長沢 8:30 ---12：20フタマツ渡渉点---15：30幕営地

●報告
沢の水は濁りはあるものの大分減水したようだ。天気予報から今日・明日と天気が芳しくない為、なんとか
今日中に左岸組（中村・高地）と合流したい。
６：１０　食糧を左岸組（中村・高地）に渡す為、沢まで降りる。見るとスクラム渡渉をすれば何とか渡れ
 そうな水流の為、渡るように促す。
６：３０　合流しすぐに安全な右岸組（藤田・峯尾）のビバークサイトまで３〜４０ｍ登り返す。
 疲労回復と体力温存の為、少ない食糧を４人で分け合い、装備を確認し本日の行動を検討する。
 少なくとも焚き火の出来そうなカクネ小屋跡までは、沢に下らなくても行けそうだとの判断から小屋跡まで
 行くことに決定した。
７：３０　ビバーク地を出発し、しばらく台地状を行くが長沢で大きく切れており、懸垂で沢床に降りる。
８：３０　そこから対岸に登り返すが上がり過ぎてしまい、下降ぎみにトラバースをし、途中懸垂１ピッチ
 挟み沢まで下りる。相変わらず濁りはあるが、それほど水量が増えておらず、直線的で特に川幅が広い地点
 である為、水嵩に気を付けながら沢沿いを進む。直ぐにカクネ小屋手前の入渓点（前日２回目の）となり、
 踏み跡を辿って登り返すが、途中踏み跡を見過ごし、そのまま尾根状を上へあがり過ぎてしまう。ここでも
 また下降ぎみにトラバースを続け、途中懸垂１ピッチし、降り立った下方にテントらしきものが見えたため、
 近づいてみるとそこはカクネ小屋跡で、東京の山岳会３人組が停滞していた。
 カクネ小屋跡からフタマツ渡渉点まで基本的には踏み跡はあるが、前日１回目に遡行した区間は踏み跡が
 途切れている。先の山岳会からの情報と地形図から、入渓せずに行けると判断し先に進んだ。踏み跡が途切
 れ、きわどいトラバースを繰り返しながらベンノウ沢が入ってすぐに小沢が現れ踏み跡に出た。ここからは
 台地状の為、フタマツ渡渉点までは安全に行ける。あとは雨脚が強くならず、フタマツ渡渉点が増水してい
 ない事を祈るのみだ。台地状を踏み跡を辿って進むと、ヤロウ沢の滝が出てきた。そこでここがフタマツと
 判断する。
１２：２０　フタマツ渡渉点に降り立つと増水はしているもののスクラムで渡渉出来そうだ。２組に分かれて
 スクラム渡渉し何とか対岸へ渡った。これでフタマツ下降点まで登り返せば安全圏だ。登り口を探しフタマツ
 下降点で一本とる。取りあえず１日目の幕場まで行く事とし、踏み跡を辿って行く。途中ブルーシートがデポ
 されており、大変申し訳ないとは思いながらも、防寒着なしで雨に打たれながらのビバーク２日目は相当に厳
 しい事からブルーシートを２枚お借りした。（デポされた方には本当に申し訳ありませんでした。）
１５：３０　一日目の幕場に到着。ここで１泊するか残業覚悟でこのまま鱒渕集落まで行くか検討の結果、
 本日はここに泊まることになった。早速拝借したブルーシートで屋根と床を作り、焚き火の準備を始める。
 ビリー缶は全て流されてしまった為、残った個人用の食器で一人分ずつ湯を沸かしカレーうどんを作った。
 １日ぶりのまともで温かい食事と安堵感から、カレーうどんが本当に美味しかった。その後、残しておいた
 ウィスキーのお湯割りを皆で廻し飲みし、蚊と戦いながらブルーシートの下で眠りについた。
＜以上，報告：峯尾＞


▼8/11
●天候：雨時々曇り
●行程：幕営地6：20発---八久和ダム付近・林道終点 7:10 --- 7：30 林道分岐---
8：40八久和峠---9：20砂防ダム工事現場
　　　　＝＝＝＝落合
●報告：起床し、雨が強く一時雨宿りし、ブルーシート下で行動食を食べる。蚊が多い。再び雨が弱くなり出発
する。一日目タクシーで降ろしてもらった林道終点からアブが多くなってくる。行きにタクシーで通った道を帰
りは歩く、右手にダムのバックウオーターを見ながら歩いていると草むらの中に小屋がある。看板のある林道終
点につき、峠まで登り始める。アブがすごく多い。峠までの道は時おり砂利道になるが舗装率は高い。峠から少
し下ったところで砂防ダムの工事現場があり、藤田さんの交渉で工事用の車に乗せてもらい落合に着く、下界に
下り山行終了。落合周辺で服とサンダル等を買い、落合周辺の温泉施設（ぼんぼ温泉？）でバスの時間まで入浴
し、鶴岡に行き、駅前で軽く打ち上げをし、行きと同じルートで帰った。落合まで乗せてくれた建設会社の方の
厚意に本当に感謝したい。
＜以上，報告：高地＞