2007年６月　谷川岳　一ノ倉沢　衝立岩

報告：藤澤
場所・ルート	谷川岳　一ノ倉沢　衝立岩　（ダイレクトカンテ）
目的・方法	岩
期日	2007年６月２日(日)
参加者	三橋（す）、松田、藤澤
行程	●6月１日（金）　藤沢20:45===24:00一ノ倉沢出合駐車場にて幕営 ●6月2日（土）一ノ倉沢出合4:30---5:40中央稜下部テラス---アンザイレンテラスよりダイレクトカンテルート---7:00　２Ｐ目開始---12:00　３Ｐ目終了---13:35 ４Ｐ目終了点---北陵---略奪点---衝立前沢---16:20一ノ倉沢出合
天候	晴れ
報告	今朝は4:30起き5時出発の予定であったが４時頃から周りのﾊﾟｰﾃｨｰが支度を始めている音に起こされ我々も４時に起床し4時30分に出合を出発する。今年は雪が少なく出合から１０分程歩いたところから雪渓に乗る。そこからテールリッジまで快適な雪渓歩きである。数年前テールリッジの岩場にあったボロボロで切れかかっていたフィックスロープが新しくなっていた。テールリッジにはもう数パーティーがいたが皆、衝立中央稜か烏帽子南稜のようだ。中央稜下部のテラスにて登攀用具をセットしアンザイレンテラスへ向かう。ここもFIXロープが張られており問題なく通過。アンザイレンテラスから15m程下降した所からがダイレクトカンテルート１Ｐ目だ。１Ｐ目は鈴子さんリード。ここはブッシュと岩ミックスの２Ｐ目藤澤リードでさぁ登攀開始と改めて下から衝立岩を眺めると上部に険悪なハング帯が迫っており近寄りがたい雰囲気を醸し出している。４０年も前にここを初登攀した人の度胸には驚嘆に値する。しかし、登り始めると支点の間隔も狭くアブミの最上段に乗らなくても余裕で届く。しかし腐りかけのハーケンや切れそうな残置シュリンゲも多く、こまめにプロテクションをとりたい所だがケチってあまり持って来なかったので節約しつつプロテクションを設置する、トップはかなり冷や汗ものである。２Ｐ目終了点まであと少しというところでちょっとフリーで登る区間がでてくるがここは壁からちょっと突き出すような感じになってる。ここが地上数ｍのところであったらなんてことはない所であるがこの高度とちょっと怪しいハーケンのプロテクションでは行く気にならない。そこでスカイフックを用いて突破した。２Ｐ目終了点は幅30cm程のテラスで支点はしっかりしており快適だ。下を見るとはるか真下にビレイしている良太君（松田）が見える。周りを見渡すと３スラ、中央稜を登っているパーティが見える。天気にも恵まれ絶景だ。一方、３スラではひっきりなしに岩雪崩が起き鈍い不気味な音を立てている。向こうの中央稜でも人為的なものかも知れないが時折落石が起きている、テールリッジに人がいないのが幸いだ。続いて２人が登り始める。途中で良太君がアブミを落としたが幸い下で引っ掛っているようなので２Ｐ目取付まで下ろすことにする。鈴子さんのロープを固定しもう一方を緩めようとするがルベルソのセカンド確保モードでビレイしていたのだが体重差もありカラビナを動かしたくらいではビクともしない。そこでセルフビレイ用のデイジーを使って１：１の引き上げの要領でやっと緩めることができたがコントロールがしずらい。ルベルソに限らずジジとかBDの新型ATCでのセカンド確保モードは確かに便利だが注意が必要だ。練習しておいたほうがいいだろう。３Ｐ目は鈴子さんリード、この区間は雲稜第二の大ハングのすぐ隣の壁を行く。支点は古いものが多いが概ね良好である。３Ｐ目終了点はテラスが無くアブミビレイとなる。４Ｐ目はルート図によるとトラバースが続くが易しそうである（フリーで5.9とある）、ビレイ点近くの垂直に切り立った壁をトラバースすれば楽勝だ、と思い藤澤がトップでスタート。ところがひたすら垂直の壁のトラバースが続き支点もボロい。もし墜落すれば衝立スラブまで真っ逆さまだ、あーこわ。最後のピッチはたいしたことはないと思いプロテクションをあまり持ってこなかったが、こんなトラバースならもう少しマメにプロテクションを設置したいところだ。あとは北稜を沿いに懸垂３回でコップスラブのピナクルを越え、略奪点へ。あとは衝立前沢を下るのみだが、ここで上部から岩雪崩だ！との声がしたと思うとコップ状岸壁から岩雪崩がコップスラブへ落ちてきた。つい先程我々が通過していたところである、また上のパーティも懸垂下降地点にいたため直撃を免れた。もう少しタイミングがずれていたらどちらかが直撃を受けていたであろう。危ないところであった。

　
　一ノ倉沢（ヒョングリの滝は雪渓で埋まってる）　　　　　ダイレクトカンテ２Ｐ目（藤澤）

　
　ダイレクトカンテ３Ｐ目（松田）　向こうに白毛門　　　　　北陵、ピナクル

　　　

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