2007年8月　夏合宿２（北アルプス　屏風岩　滝谷　前穂）

報告：藤澤、松田
場所・ルート	北アルプス　屏風岩　滝谷　前穂
目的・方法	岩
期日	2007年8月10日(金)～8月18日（土）
参加者	三橋会長、三橋（す）、松田、藤澤
行程	8/10（金）藤沢発23:05 夜行列車にて移動(ムーンライト信州） 8/11（土）松本===6:25上高地6:55---9:10横尾（テント設営）10:30---11:52、Ｔ４取付---13:00屏風岩（東壁ルンゼ下部ルート）---19:40Ｔ４付近にてビバーク 8/12（日）Ｔ４,4:30---Ｔ２---5:30屏風岩（東稜）11:40---14:53屏風の頭---16:30涸沢(登攀具デポ）---18:45横尾 8/13（月）横尾---涸沢 8/14（火）涸沢4:45---6:45、Ｔ４取付---9:00屏風岩（雲稜ルート）15:00---16:12屏風の頭---17:20涸沢 8/15（水）涸沢5:35---6:40、5.6コルから前穂北尾根---11:00前穂---奥穂---14:30涸沢 8/16（木）涸沢4:50---北穂（南峰）---9:00ドーム中央稜11:30---12:30ドーム北西カンテ14:30---16:40涸沢 8/17（金）涸沢4:47---5:53、5.6コル---Ｃ沢---8:35下部岩壁---10:40前穂４峰（北条ー新村ルート）16:30---４峰---17:37、5.6コル---18:45涸沢 8/18（土）涸沢7:10---12:30上高地===新島々14:48===19:50藤沢
天候	8/11（土）天気：晴れ夕方一時雨 8/12（日）天気：晴れ 8/13（月）天気：晴れ 8/14（火）天気：晴れ 8/15（水）天気：晴れ 8/16（木）天気：晴れ 8/17（金）天気：晴れ 8/18（土）天気：晴れ
報告	☆１日目8/11　上高地から屏風岩東壁ルンゼ下部ルート（報告：藤澤）藤沢を２３時に出発、ﾑｰﾝﾗｲﾄ信州にて松本へ、上高地には6:20着。さぁいよいよ穂高だ、天気も好天が続きそうだし今回はツイてそうだ。今回は定着合宿ということで結構荷物が重いが今日は横尾までなので楽勝である。横尾にテントを設営し、早速屏風岩へ向かう。１ルンゼ押し出しを登るが非常に暑く、喉がカラカラだ。しかしこの先もう下山するまで水場は無いのでできる限り我慢する。幸いT4尾根取付付近に雪渓が残っており雪解け水を飲んで喉を潤す。ここからＴ４尾根を行くと時間が余るので東壁ルンゼルート下部からＴ２まで登ることにする。１Ｐ目良太君（松田）リード凹角のスラブをフリーで行く。トップを交代し人工のルートを行く、、、となんと行き止まりとなった。おやっと思いあたりを見回すと隣のスラブにボルトが見えるもしかしてルート間違えたかと思ったがルート図（日本の岩場）には載っていない。これ以上上に進めないので懸垂して１Ｐ目終了点まで降りる。後から別なルート図を見て分かったのだが”猫の爪あと”という東壁ルンゼルートから派生する行き止まりのルートであった。カンテをトラバースしたところにボルトが見えたのでこれではないかということで藤澤が空荷で偵察に行く。あまり登られてはいなさそうだがちゃんとボルトはある。三日月リッジまで登りさらに上までルートがあることを確認し、ハンギングのままビレイ＆荷上げ体制にはいる。自分がぶら下がっているところは一応２本ボルトがあるが１本が抜けかかっている、２ｍ隣には３本のボルトをつないだ支点があったが、荷上げと次のピッチでのトップ交代を考えるとここで頑張るしかなさそうだ。無事荷上げと後続が到着し、今度は鈴子さん（三橋）がトップで３Ｐ目を行く。４Ｐ目再び藤澤トップで行く。今度はフリーでのトラバースだ、さて行くかといところで雨が降ってきた、ひぇーよりによってフリーでトラバースしなきゃならん時に雨とは！高度もかなりあり非常に怖い、しかも靴はシグマ（逆によかった？）である。さらにもう１７時を回り暗くなりかけてきている、焦りと緊張感でドキドキもんである。やっとの思いで４Ｐ目終了。ここからは緩傾斜帯を抜ければＴ２にいけるはずである。藤澤ビレイで鈴子さん、良太君２人で登る。しかしもうあたりは暗く場所がいまいちわからないようだ。藤澤も上に行き今度は藤澤がビバーク適地を求めさらに左上（Ｔ４方面）に行くー右上すればＴ２に行けたのだがーしばらく行ったところでＴ４のチムニーの下付近のビバーク適地を発見し、そこに皆ザイルに体を結びつけツエルトを張る。夕食は軽量化のためコンロを持って来なかったので行動食と酒とつまみだ。ただ酒も飲みすぎると喉が渇くので控えめにのむ。もう雨も止み夜空には一面の星が瞬いている。それほど寒くはないのでカッパとシュラフカバーのみで星を見ながら寝ることにする。 ☆２日目8/12　屏風岩東稜ルート（報告：藤澤） 3:30に起床。昨夜は雨は上がったものの僕の場所は斜面が急でザイルに結んであるといえ体が安定せず良く眠れなかった。クッキーと水だけの朝食を済ませT4へ向かう。T4では雲稜へ行くと思われるパーティーがビバークしていた。もう明るいのにまだ寝ている、多分１番乗りをしたので安心しているのだろう。我々はT4からトラバースし、T2（東稜取付点）へ向かう。やられた！既に先行ﾊﾟｰﾃｨｰが取付こうとしているところであった。先行ﾊﾟｰﾃｨのセカンドが出発し、ようやく我々も5：30登攀開始となる。トップは1-2P藤澤、3-4P松田、5-6P藤澤の予定である。１Ｐ目小ハングを越えるが、ピッチも短く易しい。２Ｐ目は垂直のスラブを人工で抜けたところに確保支点があるが20mくらいのフリーを交えたトラバースを越したテラスでピッチを切る。３Ｐ目良太君（松田）リード、途中からアブミトラバースと小ハング越えのあるやなルートだ。ここは以前テラスがあったらしい。登っているときは結構順調だが、先行ﾊﾟｰﾃｨが遅く各ピッチ毎に待ち時間が生ずる。涼しければよいがここは屏風岩の真ん中、日光を遮るものは全く無く日光が容赦なく照りつける。暑い！喉がカラカラだがこの先まだ長いので水は節約せねばならない。かなり辛い。５Ｐ目藤澤がトップの番であるが、一昨日と昨日の寝不足と強烈な暑さでトップを行く気力がダウンしていたので鈴子さん（三橋）に交代を申し出る。ビレイも良太君（松田）にお願いして僕はザックを下ろし、靴も脱いでテラスに座り、水を飲んで休息をとる。休憩をしたらまだ元気がでてきた、あと２ピッチだ！。ここから上はフリーで登るがホールドスタンスも豊富だ。壁面の登攀が終了し、ヤブのなかを踏み跡をたよりに屏風の頭を目指す。急斜面が終わりちょっとした広場のところで登攀具をザックにしまい遅い昼食とする。無事東稜の登攀が終了しホッとしたがこれからの予定（屏風の頭ーﾊﾟﾉﾗﾏｺｰｽ経由ー涸沢ー横尾でテント回収ー涸沢）を考えるとまだまだ長い。ここからさらに１時間、気分的にダレてきて足取りが重い。ビバーク装備があるとはいえこんな重いものを背負ってよく登ったもんだと思う。そうこうしてるうちやっと屏風の頭に到着。彼方に涸沢のテント村が見える。さすがにお盆だけあってテントの数が多い。ここまでくればもう涸沢までは一投足だ。やっと灼熱地獄から開放されると思うと気分が晴れやかになりまた歩く気力が充実してきた。涸沢着16:30、　ここで鈴子さんがこの時間では横尾往復は大変なので、今日は登攀具を涸沢にデポして横尾泊にしようと提案、藤澤・松田両名大いに賛成し提案即座に成立。ツエルトを張り荷物をデポする。涸沢発１７時ー横尾着１９時、今日も残業になってしまった。明日は滝谷の予定であったが、２日間にわたるハードな工程と寝不足を理由に明日は横尾から涸沢までの天場の移動のみと決定。ということで明日は起床時間も特に定めないことにした。今夜は酒飲んでゆっくり寝て疲れをとることにしよう。 ☆３日目8/13 横尾から涸沢へテント移動。 ☆４日目8/14　屏風岩雲稜ルート（報告：藤澤）今日はあの雲稜ルートだ、昨日は休息日であったにかかわらず寝坊して出発は4:45となってしまった。１ルンゼ押し出しを登りＴ４尾根取付に到着するとやはり２パーティーがいた。そのうちの１パーティはＴ４までしか行かないのでお先にどうぞと譲ってくれた。なんとそのパーティーのリーダーは藤沢山岳会ＯＢで名古屋山岳会に所属している方だった。つくづく山の世界は狭いなぁと感じる。Ｔ４より雲稜ルートに取り付く、先行パーティが１組いるが、さすがフリーで登るだけあって結構速い、今日は渋滞に悩まされないで済みそうだ。寝坊したのが”吉”とでたようである。今日も藤澤、松田で２ピッチづつリードすることにする。まず１Ｐ目藤澤リード、下半分はフリーで突破、上半分もフリーで挑戦する。しかし上半分は難しくA0,A1で突破。続く２Ｐ目はフリーのトラバースで扇岩テラスへ出る。ここはテントが張れるくらい広くて快適なテラスだ。ここから良太君（松田）にリード交代する。スラブを一直線にどんどん高度を稼いでいく。今日も天気がいいものの適度な風もあり、日差しも一昨日の東稜ほど強く無く快適なクライミングだ。さらには渋滞も無い。５Ｐ目再び藤澤リードで東壁ルンゼのスラブに入る。一部ハング越え以外は特に難しいところは無い。最終ピッチは泥＋ボロボロのルンゼを越えて終了だ。再び屏風の頭を目指す。パノラマコースに合流してふと時計を見ると16:30だ、生ビールの営業時間内に帰れそうだということで全員ダッシュで涸沢へ走った。生憎涸沢へ着いてみると生ビールサーバの調子が悪いらしく今日は生ビールは無し。悔しい！しょうがなく缶ビールで乾杯した。 ☆５日目8/15　前穂北尾根（報告：松田）朝4時起床。今日も天気は最高。昨日は雲稜をサクッと終わることができたので、ゆっくり眠ることができた。今日は鈴子さんが下山するので、おいしい朝ごはんを作ってくれた。食事などの後始末も鈴子さんに任せて、5時半に出発。雪渓が上部まで続いているが、途中から6峰がわの夏道がばっちり出ていて、まったく心配ない。30分ぐらい歩くと、雪渓で雪上訓練しているパーティーがいた。よく似たユニフォームを身に着けていたので「県警か？」と話しながら歩く。出発してから、ちょうど一時間くらいで5・6のコルに到着。ブヨやらなんやらの虫との格闘の一時間だった。それにしても藤沢さんのところには虫が行かず、僕のところばかり来る・・・臭いか？ 6時45分、5・6のコルで身支度して出発。シグマが壊れかけているので、僕は最初からフラットソールに履き替えて出発。藤沢さんはもちろんシグマだ。装備はザイル1本（50ｍ8.5mm）ハーネス、シュリンゲ（長短合わせて）各自4本ずつ、カルビナ各自4枚。あとATCと登高機。結果としては、この装備で十分だった。尾根歩きで5峰を越える。途中グズグズの所があり、ちょっと緊張。落石を起こさないように気を使う。 7時15分、4・5のコルからの痩せ尾根を通過すると、4峰頂上の直下に。先行パーティーは4峰の頂上を直登している・・・・が私たちは、初めて出てきた矢印のマーキング（黄色で左を指していた）に従い、4峰を左から巻くことにした。これが失敗の元。4峰東南壁方面に大きく迂回してしまった。踏み跡が無くなると、浮石だらけで、落石に気をつかう。戻るのもめんどくさいので、4峰側の壁を越える。藤沢さんは確保なしでフリーで抜けるが、少々ハングっていて怖そうなので、上からザイルを出してもらう。約5メートルの登攀で、4峰から左前方に派生する尾根に乗っかる。そこから数メートル下ると、しっかりした踏み跡が出てくる。間違える人が多いようだ。踏み跡は3・4のコルの方向にも4峰方面に向かっても付いていたので、コルに向かって下ることにする。これまた浮石と砂利のグズグズで、落石に気を使う。「違うかー？」と思っていたら、やっぱり違っていた。何とか大きな落石を落とさずに、3・4のコルに出れたが、正規のルートは、頂上からまっすぐ下りてくるルートだった。4峰の頂上からはものすごく明瞭な踏み跡が付いていた。うーん、あの矢印は積雪期のマーキングか？ 8時30分、3・4のコルに到着。2パーティーが取り付いていて、1パーティーは待っていた。僕たちはその後だ。約１時間待機し、3峰に取り付く。一枚岩の大きなテラスでザイルを出し出発。1ピッチ目は僕がリード。3級－25メートル。途中、くたびれたハーケンが3箇所ある。まったく信用ならないが、落ちることも無さそう。一応ランニングを取っていく。終了点には、縦に3本連打されたハーケンに、これまたくたびれたシュリンゲが巻きつけてあった。2ピッチ目、藤沢さんリード。3級25ｍ。大きなチムニーか大岩を越える、2通りの越え方があるようだ。チムニーの先は、岩の小屋（天井にも大きな岩が覆いかぶさっていて、いいビバークができそう）になっていた。僕たちは大岩を越える。大岩を越えると、平坦になっていた。3ピッチ目僕がリード。2級は無い。結果的にはザイルは不要だったが、先行パーティーが使っていたので一応使う。階段状を登る。3峰の頂上直下でザイルをたたみ、頂上はぐるっと左から巻くように登る。少し歩くと2峰の頂上へ。2峰の頂上から1・2のコルに下るのには、懸垂を使った。新しいシュリンゲがかかっており、約8mの懸垂。懸垂しながらよく見ると、2mくらいクライムダウンしたところから、長いシュリンゲが垂れていた。傾斜もきつく無いので、懸垂する必要は無かった。そこからは、どこを登っても良い感じだ。適当な所を登ると前穂頂上に到着。11時20分。頂上でつぶれてコッペパンになったチョコチップパンを口に入れ、帰路に着いた。奥穂を抜け、涸沢岳を越え、北穂まで行ってから涸沢に下りる予定だったが、すぐ変更。奥穂からザイテングラードを下り、涸沢に向かった。雪上訓練していたパーティーはまだしていた。2時半に涸沢に到着。僕たちが到着したのと同時に、会長が涸沢に到着した。もちろん3人で生ビールで乾杯。夏に来ると登攀的要素はあまり無く、面白みが少ないが、積雪期に一度は来てみたいルートだと思った。誰か、いつか行きましょう！！ ☆６日目8/16　滝谷ドーム　中央稜　（報告：松田）今日も朝3時起床。満点の星空が今日も僕たちを迎えてくれた。朝ごはんを強引に味噌汁で流し込み、4時50 分に出発。連日のクライミングで、胃のほうも疲れてきたようだ。ひーひー言いながら北穂の南峰に向かう。6時30分に北穂の天場。7時にドームの脇の縦走路に到着。ドームを涸沢岳方面に抜けた所から縦走路から離れて、第3尾根沿いに踏み跡をたどって下降する。ドームを抜けた所で、ガチャ類を付けた。途中、数ｍのクライムダウンがあり緊張する。足を滑らせたら、サヨナラだ。20分ほど歩いたりクライムダウンしたりしながら、第3尾根からＣ沢佐俣側への懸垂ポイントに着く。くたびれたハーケンとシュリンゲの束があったが、会長が捨て縄を使い、頑丈な懸垂支点にしてくれた。懸垂支点からはハングしていて、下が見えない。トポには25ｍと書いてあったので、50mザイル1本で懸垂する。藤沢さんが慎重に下ると、ちょうど20mで、安定したテラスに出た。カンテをまたぐと、これまた安定したテラスへ。十分ジャンボテントが張れるほどスペースがある。精神的な緊張もほぐれ、フラットソールに履き替える。 8時半に取り付き。1ピッチ目は藤沢さんリード。5級（4級A０）45m。顕著な凹角からチムニー、フェイスの登攀だ。見た感じは難しそうではないが、ボロボロ岩が剥がれる。藤沢さんは快適に凹角を登っていくが、チムニーから左のフェイスに移るところで少し行き詰る。縦に並んで付いているシュリンゲでのA０を使わずにフリーでの突破を試みるが、断念したようで、上のシュリンゲをつかんでA0で越えていった。チョックストーンを越えたところに終了点があったが、その上の安定した大きなテラスでピッチを切っていた。ここには残地ハーケン類は無く、ピナクル状の岩に長いシュリンゲを巻いて確保していた。このルートに来るには、長めのシュリンゲを用意しておいたほうがいい。セカンドで登る僕は気楽なもの。会長はチムニーに大きなザックが引っかかり、一度ザックを体から離して登っていった。僕は、何のこだわりも無いので、チムニーに体を突っ込み、シュリンゲを2本ともつかんでA０A０。 2ピッチ目、藤沢さんリード。トポには40m、リッジ～カンテ（5級）または凹角～スラブ（4級A０）と書いてあったが、どう見ても20mしかない。ルートは前者のリッジ～カンテのルートを取る。カンテから体を涸沢岳よりに移動しながら登る。すぐ上のスラブ状の岩はホールドも乏しく少し緊張。その後の3ピッチ目は1級のガレ場のリッジなので、会長と僕は、そのまま藤沢さんを追い抜いて、ザイルを引っぱりながら歩く。約35mで4ピッチ目の取り付き点に到着。ここも安定している。屏風での不安定なレッジでのビレイとは打って変わって、精神的にも楽である。 4ピッチ目、いよいよ僕のリード。トポには凹角～チムニー（4級）またはフェイス～クラック（4級＋）と2ルート書いてあったので、もちろん凹角～チムニーを選ばさせて頂く。凹角を5mほど登ると、チムニーチムニー。チムニーの連続で登っていて楽しい。途中くたびれたハーケンが沢山ある。ザイルの流れが悪くなり、登るのに苦労する。45mでこれまたこれまた安定したテラスへ。目の前に残地ハーケンの連打があるのに気が付かず、3本の小さいピナクル岩で確保する。２人とも楽しそうに登ってきた。 5ピッチ目、僕リード。35m。5級と書いてあり尻込みするが、会長に「行け」と言われて行くことにする。凹角を快適に登っていき、最後の小ハングに。左からまくが苦労はしなかった。どう見ても3級＋程度だと思う。小ハングを乗り越した所に終了点がある。２人ともここのピッチも快適に登ってくる。終了点から少し歩いた安定した岩場でザイルをたたんだ。クライムダウンもザイルはいらない。ドームの頭から見える縦走路に11時過ぎについた。さすが人気ルート！！楽しさしか残らない登攀だった。各ピッチも超のつくほど安定した場所で切ることができるし、フリクションも完璧！！僕のようなへっぽこクライマー向けのルートだ。・北穂ドーム北西カンテ中央陵を登攀後、食事をしてすぐに本日2本目に取りかかることにする。「どこにいこうか？」ということになり、近くて2ピッチで終了という手ごろさに誘われて、北西カンテに行くことに。南峰からドームまでの縦走路のちょうど真ん中くらいのところから滝谷側に下りている踏み後をたどると、ドームの北西面に出る。途中、クライムダウンが1回あるくらいで、10分程度で簡単に取り付きに到着。 1ピッチ目。藤沢さんリード。最初はフリーで右上し、人工に移る。フリーは快適だが、人工に移る1手2手が遠い。飛騨側に体を投げ出しての登攀。高度感がすんばらしー。途中、ガスが飛騨側からわいてくる。下が見えなくなる。けっこう嬉しいかも・・・・。人工に移ってしまえば、あとは簡単なアブミのかけ替え。途中はくたびれたハーケンがいっぱい。45ｍほどで1ピッチ目は終了。ガスが出てきたこともあり、2ピッチ目は会長と二人でザイルを引きずっての登攀。3級なので問題なく登れた。ドームの頭に出て、さっき中央陵から下りた道をたどり、縦走路に到着。　北西カンテは、トポにも書いてあったとおり、時間が中途半端に余ったときには最高のルートだと思う。アプローチも問題がなく、縦走路から取り付きまですぐだ。 ☆７日目8/17　前穂４峰北条ー新村ルート（報告：藤澤）今日は前穂４峰　北条＝新村ルートへ行く。三橋会長も昨日の滝谷で結構お疲れのようであったが昨晩飲んだアミノ○イタルが効いたようで元気そうだ。５．６のコルを越え奥又白方面へ下る。途中道が崩壊していてザイルを出して通過する。Ｃ沢を登るが、雪渓のコンタクトラインを進むと殆ど雪渓を通らずに取付まで行くことができた。Ｔ１取付と思しきルンゼを登る、ルート図には85mIII級とあるがどうもそうには見えない、どうやら取付を間違えたらしい。まぁ上でハイマツテラスにトラバースすればいいやと考え登っていく。殆どピトンは無く、岩もボロボロでリードはかなり怖い。上部には北条＝新村ルート核心部を登っている先行パーティが見える。彼女たちはさっきからそこから動かない、何をやっているのだろう？また渋滞か？下部ルンゼを抜け、ハイマツテラス下部へトラバースしハイマツテラスを目指す、今度は良太君リード、A1のルートとなっているがルート図には無いルートだ。どうも下部の地形と地図とが一致しない。ようやくハイマツテラスに到着、先行パーティは次のピッチへ移動しており今日も渋滞なし。今回の合宿は天気も良かったが渋滞にも初日以外会わず本当にツイているなぁ。ハイマツテラス上の１P目藤澤リード、ハングを越え右に曲がるところで右にトラバースするルートともう少し直上してから右に曲がるルートの２つがあり迷ったが、直上ルートで行く、トラバースしてちょっと行ったところにあるピナクルでピッチを切る。眼下には奥又白とＣ沢の雪渓、梓川、横尾、徳沢が見える。気分爽快！時折ガスがでてくるが3,000ｍ近い高所だから仕方あるまい。２Ｐ目も藤澤リード、今度は左にトラバースするがこの区間だけフリーだ、高度感もあり結構怖い。２Ｐ目の上は広いテラスとなり、その上はＩＩＩ級の岩＋ブッシュ帯を越え４峰右（５峰側）の登山道に出て終了。帰りはまた５．６のコルを経由して涸沢へ戻った。今日は合宿最終日なので飲むぞ！ ☆８日目8/18 涸沢より上高地経由で下山する。松本大学の近くに良太君の車があるので新島々駅前の温泉に入ろうとしたが、もう営業はしておらずあきらめて、”プレイエル”という喫茶店でカレーを食べた。ここのおばちゃんは非常に親切でカレーも美味しかった。

　
屏風岩　東稜３Ｐ目をﾘｰﾄﾞする松田　上は先行ﾊﾟｰﾃｨ　　屏風　雲稜ルート扇岩テラスにて（藤澤、松田）

　
　滝谷　ドーム中央稜　（三橋会長、松田）　　　　　　　　下山日　涸沢にて記念撮影

　

　　　

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